ヒトの全身の細胞では、グルコース(ブドウ糖)からエネルギーを生産している。 グルコースはもっとも重要な栄養素ですが、10年、20年と長期に渡り過剰になると、様々な疾患を引き起こします。
- 脳のエネルギー源はグルコースだけです。不足は脳の活力が低下するため、「空腹」を感じさせることで、グルコースを要求します。
- 脂肪やタンパク質からもグルコースをつくることができますが、これは低血糖になったときの緊急措置です。飢えに苦しむようなときにおこります。
- 炭水化物(糖質)を食べると、腸でグルコースとして吸収され、血液に乗って全身に運ばれます。速攻で吸収されるものは砂糖やハチミツ、甘い物です。
- 血液中にあるグルコース(ブドウ糖)のことを血糖といいます。
- 全身の細胞では、インスリンの働きで細胞内にブドウ糖が取り込まれ、細胞のエネルギー源として利用できるようになります。
- インスリンの働きが悪いと細胞でブドウ糖が利用されないため、血液の血糖値が上昇していきます。
- インスリン以外にも血糖値を上げたり、逆に下げたりする病態があります。
血糖値が上がる疾患
クッシング症候群、サイアザイド系降下症、悪性高血圧症、火傷、外傷、巨人症、狭心症、甲状腺機能亢進症、骨折、手術、情緒的ストレス、心筋梗塞、代謝性疾患、中枢神経系疾患、糖尿病、内分泌性疾患、妊娠、脳腫瘍クモ膜下出血、副腎髄質腫瘍、末端肥大症、膵疾患 など
血糖値が下がるがる疾患
アジソン病、インスリノーマ、胃癌、下垂体機能低下症、肝疾患、甲状腺機能低下症、高インスリン血症、小児特発性低血症、食事性・機能的反応性低血糖、腎性糖尿、繊維腫及び肉腫、中枢神経疾患、脳下垂体不全症、副腎皮質機能低下症 など
小学生でも糖尿病になる時代
上記のように、血糖値から様々な疾患が疑われることがあります。もっとも一般的なものが糖尿病ですが、健康診断で「血糖値が高い」となったら、生活習慣の見直しを始めるのが賢い選択です。
高血糖だけで、糖尿病と診断されることはありません。
■ ブドウ糖とインスリン | 糖尿病の判定基準