脳力アップが勝負、脳の「やる気」を出す方法

"やる気がでない" ときの

脳力をアップする方法

やる気がでないときの"脳"は、どうなっているのだろう。
リラックスしているとダメらしい。
「欲」を司る視床下部、
「好き嫌い」を司る扁桃核、
「やる気」を司る側坐核、

「やる気」は、これらをコントロールすることですが、
脳科学でこれらをむすぶ神経回路が解明されつつあるという。

「やる気を出せ」といわれて出せるものではない。
体を動かして「形から入れ」と脳科学者は言います。

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脳力アップで「やる気」をだす

VTAシステム(中脳皮質辺縁系)という、側坐核を含む前頭葉や海馬をつなぐ回路があります。
ここで、ドーパミンが前頭前野、運動前野、運動野を活発にし、 側坐核から淡蒼球や扁桃核などを働かせ、海馬まで伝わっていきます。ドーパミンが伝わった領域はすべて、働きがよくなります。
ただし、側坐核は身体が活動(運動)することで活発になります。活動も加えないと「やる気」は長続きしませんョ。

快感や満足感、至福感が、腹側被蓋野(VTA=ventral tegmental area)を刺激して、VTAニューロン端末からドーパミンがでるのですが、整理すると次のようになります。
  • ドーパミンはVTAニューロンの端末(前頭葉にある)で分泌される
  • ドーパミンは連動野にも伝わり運動スキルを向上させる
  • さらに側坐核にドーパミンが達すると海馬を刺激して新しいことの記憶能力が高まる
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脳力をアップする方法です

◆ 休養と緊張のメリハリをつける。 脳内でドーパミンやノルアドレナリンを放出させ、脳を覚醒し、活動させるホルモン「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」(TRH)は、やる気の出発点です。
 ・十分な睡眠で神経を休めておくこと
 ・運動刺激があること(ガムなどを噛む刺激は効果的)
 ・適度な緊張(感)があること
この3つのことが、THRの分泌を盛んにします。

◆ 行動をおこしてスイッチをONにすること。
  • 行動する(体を動かす)ことで「スイッチ」が入り、脳が反応を始める。
  • 目覚まし時計で起きる朝は眠いが、体を動かすから目が覚める。
    楽しいから笑うのではなく「笑う」から楽しくなる。笑うという行動が脳に「楽しい」という気持ちを生み出しているのです。
朝は起床時間を一定して、睡眠リズムを守ることから始めましょう。

◆ 新しい経験を日常に取り入れること。
いつもとは違う行動は海馬を通して記憶される。
..... 戦争や災害といった尋常でない体験のような異常な刺激、強い刺激を受けると記憶力が増します。逆に、いつもとは違う新鮮な行動は、海馬を通して記憶を呼び覚ますことになり、発想につなげることができます。

また、おいしいと感じること、達成感や期待感の効果は絶大。
経験的に「やる気」と「ご褒美」は相関していますね。
達成感や期待感、ご褒美による歓喜などがあるとドーパミンがでて、 やる気(意欲)が湧いてきます。
大きなことも小さく分けて、それぞれに「ご褒美」をつけてドーパミンを分泌させると、 「やる気」を長く続けることができます。
身体活動が少ないデスクワークには良い方法です。

大脳にある「満足」した過去の記憶も働きます。
「美味しい」と感じたことは、次回からは見るだけでもドーパミンがでます。 ..... 食べるだけでは出ません。おいしいと感じることが必要です。
これは大脳の学習効果よるもので、同様の効果は視覚や臭覚、聴覚にもあり、 美味しそうな色や盛りつけ、香りなどで満足感がアップします。

※ 「美味しいものを食べる」ことは脳を満足させやすいため、ストレス解消に利用すると過食することがあります。

◆ 「憧れ」を演じる、なりきる。空想する。
イメージを具体的に想い描き、そのときの自分に「なりきる」ことで やる気が引き出されます。「なりきる」という行為は脳を楽しませています。
セレブの「貴婦人」を演じることで少食になりダイエットできた女性がいました。 合格したい大学の下見も、そこで「授業を受けている自分」をイメージすることが、やる気につながるといいます。
人生は「なりきる」ことかもしれません。

参考
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脳のためには、血圧は120 / 80 mmHg がよい
高血圧は、最高血圧が140㎜Hg、最低血圧が90㎜Hg以上、メタボ健診で要注意とされるのは最高血圧130㎜Hg以上、最低血圧が85㎜Hg以上となっているが、これはあくまでも、体の健康を考慮した目標値。脳内の毛細血管で起こる動脈硬化を防いで脳の働きを低下させないためには、それよりも厳しい基準になる。
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脳の働きが低下するいちばんの原因は酸素
加齢とともに脳に酸素を取り入れる能力が衰えることが原因ですが、 脳が使える酸素量は、肺から取り込まれる量に比例しています。
肺からの酸素素摂取量は一般には20歳ごろがピークで、
有酸素運動と無酸素運動を持続的に行う人では35歳ごろがピーク。
また、一般に60歳を過ぎると萎縮がはじまるのですが、その詳細は明らかではありません。 脳の最大酸素摂取量を増やすことは難しいのですが、
 ・有酸素運動で酸素を十分に体に取り入れる
 ・血圧を低く抑える
などで、脳梗塞を防ぎ、脳機能の低下を最小限に抑え、一部の働きを少しよくすることはできる。さらに、脳を使う行為は、神経細胞(ニューロン)とそのつぎ目(シナプス)を増やしていくことができ、能力アップに有効があります。
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側坐核
側坐核は脳の中心部に左右ひとつづつある小さな器官。直径がわずか2ミリメートルで、重さが0.2グラム。「ナック」ともよ呼ばれ、脳のターミナルの役目をしている。
ここが刺激を受けると徐々にモチベーション上がるが、その刺激も前頭連合野からの命令だけではダメで、実際に作業を始めないと活動しない。
しかし、一度調子に乗ると、ここから周辺の視床下部、扁桃体、海馬、帯状回などに信号が送られ、やる気に関わる神経伝達物質が分泌される。
特に視床下部からは「サイロトロピン放出ホルモン」略してTRHというホルモンが分泌され、これが脳下垂体、甲状腺へ働きかけて、「サイロキシン」という興奮作用のあるホルモンを発生させる。
サイロキシンは甲状腺から分泌されるホルモンの1つ。
サイロキシンが意欲的な気分をもたらすと、興奮が興奮を呼び、アセチルコリン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどの興奮神経伝達物質が脳内に行き渡り、一層気力が充実する。
そして、実際にとりかかった作業がひと区切りつくと、達成感に似た感情がわいてくるが、これは、ドーパミンが腹側被蓋野(A10神経)から分泌されていることを意味する。
心地よさを覚えて脳はさらなる達成感を求めて作業を継続していく。
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TRH(サイロトロピン放出ホルモン:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)
視床下部から放出されるペプチドホルモンで、下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンやプロラクチンの分泌を調節していて、脳内のほか、消化管やランゲルハンス島にも存在している。 TRHは、脳内でドーパミンやノルアドレナリンを放出させ、脳を覚醒し、活動させる。
次のようなことで、TRHの分泌が促進される
 ・十分な睡眠で神経を休めておく ... 深睡眠です
 ・運動が脳幹を刺激して覚醒する
      ... 噛むという運動の効果は大きい
 ・適度な緊張が脳を刺激する ... 脳には適度な緊張が必要


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