HealthDay News 2009年9月3日
ご注意:リレンザは錠剤または吸入薬の形で認可されていて、静注薬としては認可されてません。
<以下、要約引用>
新型(H1N1豚)インフルエンザに罹患して生命の危機に瀕していた22歳の癌(がん)患者の女性が、抗ウイルス薬ザナミビル(商品名:リレンザ)を静脈 注射(静注)するという例外的な治療方法によって完全に回復したとの報告が、英医学誌「Lancet」オンライン版に9月4日掲載された。
英ロンドン大学(UCL)病院(Michael Kidd博士)
- 患者は生命の危機に瀕していた22歳の癌(がん)患者の女性
- 消化器系の障害のため抗ウイルス薬オセルタミビル(商品名:タミフル)を吸収できていない徴候があった
- 粉状の吸入薬リレンザも多量の浸出液で肺がひどい炎症を生じ、十分に浸透していないと思われる状態
- 癌の化学療法により免疫系も著しく低下していた
- 患者は集中治療室(ICU)に入って 16日が経過、肺に浸出液がたまってからは人工呼吸器を使用
この治療 が奏効し、女性は急速に回復に向かい、体内のH1N1ウイルスが大幅に減少。5日後には自力で呼吸できるようになり、1週間余りでICUを出ることができ た。
Kidd氏は、今回の奏効例から、この秋冬の新型インフルエンザの重症患者に対するリレンザの静注が今後広く受け入れられるようになることが予測されると 述べ、この治療法が臨床現場へのプレッシャーを緩和することにもなると付け加えている。米国の専門家もこれに同意し、今回極めてリスクの高かった患者を 救ったことは大きな業績であると述べている。
さらに同氏は、次のように述べている。
今回の患者に副作用は認められていない。過去の臨床試験では、リレンザ静注は高用量でも成人で優 れた忍容性がみられるほか、生後6カ月以降の小児にも使用可能であるという。腎疾患患者での用量調整の必要性や妊婦での安全性が確立されていないなど、い くつかの禁忌(きんき)に関わる問題はあるが、妊婦も新型インフルエンザの高リスクグループとされており、重篤な呼吸器疾患を来した場合、リスクを上回る 利益が期待できる。
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=630704
リレンザ使用方法の説明ページ(吸入方法の動画があります)
http://www.glaxosmithkline.co.jp/healthcare/medicine/relenza/
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