ビタミンD、最近の研究報告(3)

ビタミンDは主に魚介・キノコ類に多く含まれ、カルシウム代謝に重要な働きをもつ。皮膚には生理活性のないプロビタミンDが存在し、紫外線を浴びることに よって活性型ビタミンDに変換される。ビタミンDは「サンシャイン・ビタミン」と呼ばれている。
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ビタミンDレベルを増大させる最も有効な方法は皮膚の日光への曝露である
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◆ ビタミンD 活動的な若い女性の疲労骨折が減少

女性が短期間でもカルシウムとビタミンDを補強すると、圧力骨折のリスクが大きく減少するという米国海軍の研究。
骨は同じ形をしていても、毎日少量の古い細胞が新しい骨細胞に置き換えられ、新陳代謝を繰り返しいる。強い骨や歯を維持するにはカルシウムが必要であるが、体内では合成されず、皮膚や汗、尿などから排泄されるため、食事による摂取が必要である。十分にカルシウムが補給されない場合は、骨から徐々にカルシ ウムが溶け出し、骨粗しょう症の原因にもなる。
米国海軍で8週間の基礎トレーニングを行っている5,200人以上の17-35歳の女性新兵を対象に、毎日カルシウム2,000mgとビタミンD 800 IU(国際基準)、期間は8週間。「カルシウムとビタミンDサプリメント摂取で、8週間の短期間に統計学的な有意差が出るほどの効果が現れたことは驚き」という。

◆ ビタミンDとゲニステイン、カルシウム

大豆製品由来の植物性エストロゲンであるゲニステイン(genistein)が骨塩量を増加させることが、閉経後の高齢イタリア人女性を対象とした研究で明らかにされている。
..... 米ハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部は、乳癌や子宮癌に関連する安全性の問題面で、ゲニステインはさらなる研究が必要だと警告している。

◆ ビタミンDと骨粗鬆(しょう)症

骨粗鬆(しょう)症は、骨密度が低下し、骨梁(りょう)が薄くなることで発症する。加齢による発症が多いが、新しい骨の生成不足や、体による再吸収が過剰な場合にも発症する。
骨粗鬆症治療は通常、骨折やそれ以上の骨の損失を避けることと、痛みや不快症状を和らげることに向けられる。米国立医学図書館(NLM)によると、一般的な治療法として下記のものが挙げられる。
  • ビスホスフォネート、ラロキシフェン、カルシトニンなど処方薬による治療。
  • カルシウムやビタミンD サプリメント(栄養補助食品)の補充。
  • 体重負荷、抵抗、バランスなどの定期的な運動。ウォーキング、エアロバイク運動、その他、転倒リスクが最小限で負担の少ない運動が勧められる。
  • 禁酒と禁煙。
  • 低脂肪乳、ヨーグルトやチーズなど乳製品、サケ、イワシ、豆腐、また、ホウレンソウなどの葉野菜が豊富な食事をとる。

◆ 果物や野菜は骨を強化する 食事にアルカリを取り入れる

専門家によると、タンパク質や穀物類を多量に摂取すると、体内で余分な酸が生成され、カルシウムの排出が増加するために骨が弱くなるという。しかし、ピルの服用や果物や野菜を多量に摂取することで、アルカリ値が上昇し骨が強くなる .....
..... 普通の食事をしている高齢者の多くは、体内に酸を蓄積している。ヒトは加齢に伴い酸の排出能力が弱まるため、骨吸収は酸性値の上昇を和らげるために体が行う反応の一つだと言える。


◆ ビタミンDとうつ病と骨密度低下

閉経前のうつ病に悩む女性は、同年齢のうつ病のない女性に比べて骨密度の低いことが、米国の研究で明らかになった。
骨密度を維持するにはカルシウム、ビタミンDや他のミネラルの適量摂取と同時に、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、カルシトニン、性ホルモンなどのホルモン産生も必要である。
以前の研究で、閉経女性でうつ病が骨密度低下の一因になる可能性が報告されており、今回の報告と合わせて年齢に関わらず、うつ病の骨密度に対する悪影響が示されたことになる。(2007年12月)


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