クロムは糖尿病に有効か?

クロムは体内には6mg 以下と少ない微量成分ですが、
内臓肥満が心配されるとき、海外では糖尿病の予防や改善に、ダイエットサプリとして炭水化物の代謝を目的に使われているミネラルです。
クロムの不足は心配性、疲労、肥満などとして表れやすいのですが、 さて、日本人の糖尿病での効果はどうでしょう?

● クロムはインスリン抵抗性を改善する

クロムは細胞でインスリン・レセプターの感度を高める働きがあります。肥満傾向になっていくとインスリン抵抗性が強くなっていくのですが、クロムには、これを改善する効果があります。欧米での用法はこの働きを応用するものです。

● クロムは糖尿病に有効か?

糖尿病の原因は2つあり、インスリン分泌に問題がある場合と、インスリンはあっても筋肉などの細胞でインスリンが働かない場合(インスリン抵抗性)です。
欧米人はインスリン分泌に強い体質なので、糖尿病であってもクロムでインスリン抵抗性を改善すれば、糖尿病の状態が改善する段階であることがあります。

日本人の糖尿病では、多くの場合、両方の問題を抱えています。クロムを摂取して、抵抗性を改善しても、インスリン分泌は改善できていません。
また、やせ型の糖尿病も日本には多く、この場合、クロムだけを考えても効果はないでしょう。栄養を全体的に良くすることが必要ですね。

欧米では安価な塩化クロムやピコリン酸クロムが利用されているのに対し、 日本ではクロムが食品添加物として認められていないためクロム自体を健康食品にできないという事情もあり、日本では主にクロムを含む酵母をもとにした健康食品が販売されています。

糖尿病にクロムは有効か?
ピコリン酸クロムは細胞内でラジカルを産生するという指摘や、過剰摂取によって腎機能に弊害が起こるという報告もあり、クロムが糖尿病治療に安全で有効であるとするには、まだまだ評価が定まりにくい状況のようです。

● クロムは運動をしなくてもダイエットの効果が得られるとの報告

これは、過体重の場合ですョ。肥満の手前の段階です。
サンアントニオ減量センターの報告で、過体重の人にクロムのサプリメントを72日間投与する実験。食事療法や運動は特に行なわれず、平均 6.5kg 減少し、除脂肪体重が約 0.2kg 増加したという。一方、クロム偽薬グループはこうした内体構成面に特別な変化はなかった。このことからクロムが運動や特別な食事療法なしでも脂肪を燃焼し、筋肉を増強させるという。 (過体重が解消されたとは言っていない ..... )

●多い炭水化物摂取がクロムの消費を増やす

炭水化物の多い食生活はクロムを体外に排出しやすくしています。 クロムは30代を過ぎて急に太り始めた男性、閉経後に太り始めた女性、冷え性であまり汗をかかない女性には特に効果があるようです。

クロムの1日の上限摂取量は250μg。
クロムは穀物、肉類、豆、ナッツ、キノコなどさまざまなものに含まれていますが、過食や肥満傾向では必要なインスリン量が増加し、細胞側ではクロムの必要量も増えていきます。
まずは、過食を止め、おやつを豆類やナッツに替え、
栄養バランスがよいビール酵母を食品に加えると安心です。


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