血糖値と成長ホルモン

成長ホルモンは20才頃をピークに減少していきます。 極端な例ですが、成長ホルモン分泌不全のとき「体脂肪の増加」や「骨密度の低下」、メタボリック関係での高脂血症、糖尿病、高血圧症などが知られています。

日本人は寿命が長くなる中、成長ホルモン分泌のカーブをそれに合わせようとする意識は一般にはありません。成長ホルモンは様々な代謝に基本的な関わりをしているため、減衰カーブを緩やかにすることができれば、健康障害の改善行為も、より効果的なものになります。

成長ホルモンそのものは血糖値を上げる方向に働きます。
また、加齢とともに成長ホルモンが少なくなるにもかかわらず、 血糖値は一般に上昇する傾向にあり、
空腹時血糖値が140mg/dl未満の軽症糖尿病が増加しているという報告もあります。 これは、糖質の主要な代謝臓器である筋肉および肝臓の、
加齢に伴う萎縮や機能低下によるとことが大きいと考えられています。

血糖が高めにシフトしていくと血液循環や諸器官へのダメージが発生しはじめ、寿命は伸びても、生活習慣病の発症までに余裕ができるわけではありません。
40歳は、成長ホルモンのことを考えてもよい年齢のようです。

<成長ホルモンの働き>
成長ホルモン(GH)は脳下垂体から分泌されているホルモンですが、器官に直接働きかける場合と、肝臓を刺激してIGF-1を分泌させてこれが器官に働く場合があります。

  1. タンパク質合成を促進して、骨や筋肉の成長を促す
  2. 炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を促進
    食事をすると、GHは筋肉や脂肪でのブドウ糖取り込みを増やし、肝臓や筋肉でのアミノ酸取り込みと蛋白合成を促進し、脂肪組織での脂肪分解を抑制する。
    数時間後、ブドウ糖の取り込みおよび利用が抑制されるようになり,その結果、血糖値が上昇して脂肪分解が進む。
  3. 絶食中にはGH濃度が上昇して血糖値を一定に保つ働きがあり、肝臓ではグリコーゲン分解を促進、血中GHはインスリン作用を抑制することで血糖値を安定させる (エネルギー不足のとき脂肪組織から脂肪を遊離脂肪酸の形で放出させる)
  4. 高濃度の血中GHはインスリン抵抗性をつくり、血糖値を上昇させるという報告がある
  5. 低血糖のときGHは抗インスリンホルモンとして分泌され、血糖値上昇に働く
  6. カルシウム濃度などを一定に保つ働き(恒常性の維持)
成長ホルモンは、睡眠中、特に夜寝ている間に多く分泌されます。 起きている時でも運動したり、タンパク質の多い食物を食べたりするとその分泌量は増えますが、大部分は夜寝ている間に分泌されると考えて良いでしょう。

<自然の成長ホルモンを増やす>
● 成長ホルモンを直接注射する方法
● 成長ホルモンの分泌を促進する成分を摂取する方法
というように、GHを増やす方法は大きく2つありますが、
医療行為でないときは、促進成分を摂取することなります。

ここで注意することは、成長ホルモンはタンパク質であるため、注射でしか効果が示されないということ。経口投与や口腔内投与(スプレータイプなど)によってはほとんど吸収されません。

体内にある成長ホルモンを分泌させるには、アルギニンが王道のようです。


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