インスリンは、この膵臓のランゲルハンス島B(ベータ)細胞で生成され血液中に分泌されます。分泌されたインスリンは、肝臓に向かう門脈を通り肝臓に達し、肝静脈を経て全身の組織に送り込まれます。
この過程でインスリンは、インスリンに感受性のある肝臓、筋肉や脂肪組織の細胞に存在するインスリン受容体と結合し、ブドウ糖の細胞内への取り込み、細胞のエネルギー源としての利用、グリコーゲンや脂肪としての貯蔵促進などに働くのです。
インスリンの主な働き
- 骨格筋では .....
ぶどう糖、アミノ酸、カリウムの取り込み促進と
タンパク質合成の促進 - 肝臓では .....
糖新生の抑制、グリコーゲンの合成促進・分解抑制 - 脂肪組織 .....
糖の取り込みと利用促進、脂肪の合成促進・分解抑制 - 腎臓の尿細管では .....
ナトリウム再吸収促進作用
インスリンはおよそ60兆個といわれる全身の細胞に働いています。食べ過ぎや肥満、加齢などでインスリンの働きが悪くなると、細胞へのエネルギー源や栄養の受け渡しがスムースにできにくくなります。
最近では、脳内でのインスリンの働きについて、次のような報告があります。
脳では、ありすぎても困る脳内インスリン
脳内では老化の促進という“悪役”を演じているという、米ハーバード大の実験報告があり、脳内でインスリンを働きにくくしたマウスが通常のマウスより18%も長生きしたというものです。
一方で、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患にインスリンとIGF-1が関係しているといわれ、注射や経鼻スプレーでインスリンを投与された人はすぐに、物語の回想や記憶テストの成績が上がるという。
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