- 脂肪細胞から分泌されるレプチンは食欲と代謝の調節を行います。
- レプチンにはインスリンの感受性をよくする働きがああります。
- レプチンが増加するとヒスタミンも分泌され、ヒスタミンは食欲を低下させる作用がある。
- 通常、肥満症の人にはレプチンが多いが、「レプチン抵抗性」が生まれます。
- レプチン受容体は末梢組織や腫瘍細胞にも存在し、生殖を含めたより広範に影響、 食欲調節以外では生殖機能調節、血管内皮細胞の再構築、骨の成長などが知られています。
- レプチンは適切な体重になった女性の思春期を開始させる役目を果たします。
- 過激なダイエットで生理が止まるのもレプチンが少なくなったためです。
- レプチンは炎症など免疫学的刺激でも産生され、免疫応答にも深く関与しています。
正常な脂肪細胞はレプチンやアディポネクチンを分泌し、
これがインスリンと一緒に働くと、インスリンの作用が非常に強くなると言われています。
ところが、肥満になって脂肪細胞が大きくなると、この細胞が作るレプチン、アディポネクチンが少なくなるので、インスリンの作用が弱くなってくるわけです。
このことは糖尿病や高コレステロール血症になりやすい一因となっています。
レプチンは、1994年に発表された脂肪細胞でつられ分泌されるホルモンですが、
肥満した人では「レプチン抵抗性」が生まれ、レプチンが分泌されていても食欲や代謝の制御ができにくくなるとされています。
また、肥満した人のごく一部では、遺伝子の変異でレプチンの分泌が少なくなるそうです。
レプチン抵抗性
フルーツに多い果糖を使った興味ある実験がありました。米フロリダ大学のマウスを使った研究で、
- カロリーを増やすことなく食餌の果糖量を増やしてもレプチン抵抗性が生じる
- 高脂肪食の摂取により、肥満を悪化させる
高果糖の食餌を6カ月与えられたラットは、
レプチン抵抗性を持つようになることが発見されまた。
マウスでは、果糖は主にレプチンが脳内に入るのを阻害することで、レプチンの活性を遮断してしまう。これが、人にも当てはまれば、高果糖の食事は良くない結果を招くことになる。とのことです。(フロリダ大学医学部薬理学 治療学教授のPhilipJ.Scarpace氏)
また、レプチンについては次のような報告もあります。
- 食事制限も運動もなしで肥満マウスの減量に成功
ハーバード大学(ボストン)医学部准教授のChristian Bjorbaek 氏の研究では、 マウスの視床下部にあるプロオピオメラノコルチン・ニューロンにレプチン受容体を加えたところ、血糖値が正常にまで低下した、という。
この研究は、レプチンが関与するニューロンや経路をターゲットとした「運動への欲求や自発的意思を誘発する薬剤の探索につながる」という。
(医学誌「Cell Metabolism(細胞代謝)」2009年6月号の報告) - レプチンが働かないと肥満や糖尿病では、感染症に罹りやすい
レプチン遺伝子あるいはレプチンレセプター遺伝子が変異を起こしているob/obマウスやdb/dbマウスは,レプチンによる摂食抑制が起こらず肥満から2型糖尿病を発病する。
これらのマウスは肺炎桿菌やリステリアといった細菌感染に対する抵抗性が減弱しており,その原因としてマクロファージの機能やケモカイン産生性の低下が示唆された。
(弘前大学医学部)
アディポネクチン
脂肪細胞(アディポサイト)から分泌されるアディポネクチンの分泌は、脂肪細胞の大きさに関係しており、脂肪細胞が肥大すると、アディポネクチンの分泌量が低下します。アディポネクチンはインスリン感受性の向上、血管内皮細胞の修復作用、脂肪燃焼作用もあることから、アディポネクチンが減少すると、血糖やコレステロールの上昇、動脈硬化のリスクも高まります。
■ 植物インスリンが血糖値に働く 薬用ニガウリ :
カプセルで苦くない蘭山ニガウリ100%の 糖素減
■ 3kgから先は運動しないと ... :
脂肪を燃焼させる食べ方
■ イミダペプチドのアミノ酸とはこれのこと :
アンセリンとカルシノンのアミノ酸ドリンク
■ 生活習慣からの体の不調、その基礎知識と対策 :
ホントナノ