日本人のジャヌビアは安全か

すい臓への刺激が早くに消えてしまうインクレチン働きは、結果的にβ細胞の疲弊を防いでいるといわれます。
消化管ホルモンのGIPとGLP-1をあわせてインクレチンといいますが、インスリン分泌の命令には、ブドウ糖インクレチンの2者が大きく関わっています。

糖尿病の新薬ジャンヌビアは、このインクレチンに作用し、国内で利用される薬剤としては、これまでにない方法で血糖値を下げようとする薬剤です。

日本人患者のすい臓はどこまで耐えられる?
糖尿病の特徴は、食後に急激に血糖値が上がりやすいことですが、これは、インスリン分泌が弱くなっているため、急な反応ができないためです。
食べものが十二指腸を通過するときにインクレチンの働きでインスリン分泌の命令が出ているのですが、すい臓からの追加分泌量が少なくなっているのです。

さて、新薬として注目されるDPP-4阻害薬ジャヌビアは、
早く消えてしまうインクレチンのシグナルを延長させることで、インスリン分泌を続けさせようとします。

欧米人に多いタイプーーインスリン分泌には問題が少なく、インスリン抵抗性があるーー糖尿病では問題は少ないのでしょうが、日本人の糖尿病は、発症時点でインスリン分泌とインスリン抵抗性の両方に問題を抱えることが多いといわれます。彼らに比べ分泌能力が低い上、すい臓自身も弱っているのです。

日本人のようにインスリン分泌能力に問題があるとき、DPP-4阻害薬ジャンヌビアの使い方は慎重にすることが必要です。
すい臓が日本人よりも強いといわれる米国でも、膵炎の報告があるようです。

また、DPP-4阻害薬の相手はインクレチンだけでなない、このことにも注意したいものです。

インクレチン以外への影響の中では、免疫力低下は副作用として認識しづらいものです。もともと、糖尿病では免疫低下で感染症への注意が向けられているのですが、これにDPP-4阻害薬の副作用が関わっていても、はっきり切り分けることは難しいように思われます。

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新薬利用には本人の知識が助けになる

ジャンヌビアは国内では承認された段階で、すぐに使われ始めると言うことではないのですが、新薬のDPP-4阻害薬を利用するときは、今まで以上に感染症への注意も必要になるのは確かでしょう。

糖尿病をDPP-4阻害薬で抑えることはできても、このことで他の疾患を発症することは、これまでに言われてきた合併症を含めて避けたいですね。

糖尿病の専門医との相談が大切ですが、本人側の知識が重要になることに間違いはなさそうです。糖尿病に関連することも、自分から尋ねて確認をし、納得した上で利用していきましょう。

ジャンヌビアの国内臨床試験における副作用発現率(万有製薬)
http://januvia.jp/secure/safety/index.html


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