新しい2型糖尿病治療薬の安全性は?

新しい2型糖尿病治療薬が10月16日に承認されました。
経口摂取ができる糖尿病治療薬のジャヌビアとグラクティブです。

3年ほど前から欧米では使われているジャヌビアですが、インスリン分泌に弱い日本人の体質に合わせた処方は、これからなのでしょうか。安全性に不安があるときは、なお一層、周辺情報への注意が必要です。

● ジャヌビアについては、米国では糖尿病治療薬の安全性の懸念が高まっており、日本での対応も注目されていたが、審査管理課によると分科会でも質問などはなかったという。注意して使用することで了承を得たとしている。

短所としては、DPP-4はインクレチンの活性を高めるだけでなく、種々に生体内に存在する生理活性ペプチドの分解にも関与するため、DPP-4の活性を無くすと予想外の副作用が生じる可能性があるこということ。たとえば、DPP-4はリンパ球の細胞膜上にも存在するため、DPP-4を抑制した際には免疫系への影響が生じる可能性があるそうだ。

● 米FDA(食品医薬品局)は現地時間の25日、米メルクが米国で販売している2型糖尿病治療薬のDPP-4阻害剤「ジャヌビア」(一般名=シタグリプチ ン)と、同剤とメトホルミンの配合剤「ジャヌメット」について、急性膵炎の報告症例を処方情報に明記する改訂を行っていると発表した。(日刊薬業 2009年9月28日)

DPP-4阻害薬のジャヌビア
食事をすると、消化管から消化ホルモンのインクレチンが分泌され、これがインスリン分泌を刺激し増加させるのですが、血中にはインクレチンの分解酵素 DPP-4 があるため、短時間でインスリンの働きが低下していきます。
今回承認された糖尿病薬は、このインクレチンの分解酵素 DPP-4 を阻害して、インスリン分泌の刺激が長がく続くようにするもので、今までの薬剤とは全く違う働き方をするものです。

今回承認されたDPP-4阻害薬の1つジャヌビアは、米大手製薬会社「メルク」が開発・販売するもので国内では子会社の万有が扱うものです。低血糖などの副作用が少ないとされ、米国だけで1600万人に処方され、欧州、アジアなど世界87カ国で販売されている。一般名はシタグリプチンリン酸塩水和物。

インクレチンとは:
インクレチンとは栄養素の経口摂取により腸管から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促進させる消化管ホルモンの総称GLP-1とGIPがその代表で、GLP-1は小腸下部のL細胞から分泌され、GIPは小腸上部のK細胞から分泌される。
●インクレチンは食事の摂取とともに小腸から分泌される
●膵臓のβ細胞に作用することでインスリンの分泌を増強する
●低血糖になりにくい(下記参照)
●膵β細胞の増殖を促進、あるいは細胞死を抑制、。また、食欲抑制作用がある
●インクレチンは血中でDPP-4で分解され、半減期は約5分といわれる

低血糖になりにくい理由
血糖もβ細胞に作用してインスリンの分泌を促進しますが、インクレチンによるインスリン分泌には、血糖によりβ細胞内でカルシウムが増加することが必要。
そのためインクレチンは血糖値が低い状態ではインスリン分泌は増加せず、血糖が高くなって初めてインスリン分泌を促進する。


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