GLUTを使って血糖値を下げる

GLUT:グルットと読みます。
グルコーストランスポーターあるいは糖輸送体ともいいます。GLUTは1番から7番までの分子構造が報告されていて、細胞内へのグルコース取り込みを仲介しています。

血糖値はインスリンの働きで下がるのですが、
高血糖の場合はこの働きが低下しています。
しかし、運動をすると、
このような状態でもAMPキナーゼがGLUTに働き、
血糖値が下がります。
インスリン、AMPキナーゼ、GLUTの関係を知ると、
運動の大切さが納得できます。

GLUTはこんな働きをしています。

通常はインスリンの刺激で、グルコース取り込みを促進

  • 細胞の表面を覆う細胞膜には、1つの細胞に数十個から多いものでは20万個にもなるインスリン・レセプター(インスリン受容体)といわれるものがあります
  • 血液中にあるインスリンが、筋肉細胞や脂肪細胞のインスリン受容体に結合すると、細胞内にあったGLUTが細胞膜上へ移動し、細胞内へのグルコースの取り込みが促進されます
  • インスリンが受容体から離れると、GLUTは細胞膜上から細胞内膜へと戻されます

運動中はインスリンを必要としないGLUT

GLUTには7個の型が報告されています。 高血糖では、4番のGLUT-4の活性が低下し、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織で、インシュリンが十分な機能を果さなくなるのですが、

  • 健康な場合でも運動をしているときは、インスリンではなく、AMPキナーゼを活性化する
  • 血液中にあるインスリンが、筋肉細胞や脂肪細胞のインスリン受容体に結合すると、細胞内にあったGLUTが細胞膜上へ移動し、細胞内へのグルコースの取り込みが促進されます
  • GLUTが細胞内から細胞膜上に移動(Trans Location)してきます

メタボリックシンドローム、例えば糖尿病に、
運動が必要な理由がコレです。
インスリンに依存することなくブドウ糖を消費することができるのです。

血糖値高血糖に運動が良い理由